軋轢
世界が眠りに就いたら
始めるよ
誰も知らない
誰も背負わない
終末の始まりだよ
右回りで動く世界も
止められないよ
未曾有の腐海へ
歯車は捻れて
ベクトルを見失う
誰も振り向けないまま
上下も解らず
進んでいくよ
小さな波でさえ
縛られたまま
取り込まれていくよ
歯車の暴徒
崩壊の浄土
秩序との心中
次第に暴かれたとしても
夜が明けてしまう前に
箱を震撼させるよ
気付かない君たちに
世界が軋む音を
盲目の君たちに
澄み切った穢土を
民主主義を盾に
世界が眠りに就いたよ
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窓
冷たい風が
汚れた窓を叩いている
それはまるで僕を呼び出すように
ゴトゴト音を立てている
急いで暖めようとしたから
石油が轟音をたてて燃え
あの忌まわしい臭いが
喉に絡みついて仕方ない
渇いた部屋は
ユラユラと歪められて
汚れた窓と
温められた窓が
世界をより醜く
世界を誤魔化していく
冷たい風はあれからずっと
僕の耳元で吹いていて
胸の奥深くに留まっていた
灯りが次第に小さくなっていく事に
気付きながら
薄れていく記憶が
宙に浮かんでは消えていった
行き場を失くした日常は
粒子を集めて閉じこめて
二つの大きな雫が
汚れた窓を
寄り添うように伝って
ゆっくりと落ちていく
二つの大きな雫は
渇いた窓を
一度も交わる事無く
ゆっくりと落ちて
僕はその名を呼んだ
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Re:Birth
昨日の俺が死んだ
目には見えない何かを抱えたまま
或いは何かを捨て切れぬまま
誰かを救い
誰かを傷付けて
全てを変える為に
昨日の俺は死んでいった
破壊と創造を繰り返す世界で
自らの足で
新たな自分を探す為
今日 生まれ変わる
自らが選んだのではなく
選ばれたこの日
昨日死んだ俺に
別れを告げながら
立ち上がり
その一歩を踏み出す
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正体
君は僕をどう思う?
何層にも積まれた地層のように
僕の表面を繁々と眺めても
1日で積み重なる表層の構成は
呆れる程淡白なもので
真相には決して辿り着けるものではない
夢中で掘り進めたとしても
その薄皮の層に一喜一憂する
押し寄せる川に抉られた地形に立てば
取り留めもない言葉を吐露し
枯渇した大地を歩けば
背負わされた荷物を置いて消える
僕はこうして
何層にも覆われていて
輝いて見えたのは
太陽が
風が
木々が
君の瞳が
そう魅せていただけかもしれない
甘い声で
その身体を撫でるように
呼んでは抱きしめる
君は僕をどう思う?
僕自身
深層に眠る正体を
見つけられていない
この僕を
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aestheometry
片目を瞑り
極彩色で形成された
幾何学模様を覗く
とても煌びやかで
麗しく見えては
いつまでも眺めていられた
僕らが離ればなれになり
一つの区切りから
こうして手を取り合うまで
幾年も過ぎてしまった
緩やかに回転を続けて
形を変えて
色褪せてしまった
それは
中心の輝きから
少しずつ歪ながらも
手を伸ばすように模様を変えて
少しずつ色合いを深めていく
あの時言えなかった言葉
あの時伝えたかった想い
あの時の僕らが
再び手を取り合う
緩やかに回していたのは
時間でも経験でも誰でもなくて
自分自身みたいだ
瞑っていた片目を
見開いて見えた 幾何学模様は
あの時眺めた形や色に
少しだけ近付いた
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